オリゴキャッピング法

真核細胞mRNAの5'端には、キャップ構造とよばれる特異的な構造が存在する。 Tobacco Acid Pyrophosphatase (TAP)は図1Aに示す部分でキャップ構造のトリリン酸結合を加水分解し、 mRNAの5'端をリン酸基とする特異な酵素活性を有する。Bacterial Alkarine Phosphatase (BAP)等の通常の Phosphataseは、このキャップ構造自体を解離させることはできない。そこでpolyA+ RNAにBAPを 作用させることにより、キャップ構造を持たないミトコンドリア由来のmRNAや断片化されたmRNAの5'端に 突出したリン酸基を加水分解した後に、TAPを作用させてキャップ構造を加水分解すれば、キャップ構造を 持つmRNAのみに5'端リン酸基を残すことができる。またT4 RNA ligase は5'端リン酸基を基質として必要とする。 そこで、BAP、TAPで順に処理したpolyA+ RNAに対してT4 RNA ligaseを用いて合成オリゴを結合させれば、 キャップ構造を持つmRNAの5'端にのみ選択的に合成オリゴを導入できる。
Scematic Representation of "Oligo-capping"
<<Back