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cDNAクローニングにおける最終目標は、完全長cDNAすなわち鋳型となるmRNAの
キャップ構造からpolyA配列にいたる全ての配列を含むcDNAを単離することに他ならない。
しかし、通常の方法を用いて作成されたcDNA libraryから得られる cDNAは、
その5'端が欠失していることがほとんどである。これは逆転写酵素が途中で鋳型mRNAから
脱落したために不完全なコピーしか行われなかったcDNA、また5'末端の部分が加水分解により
失われてしまった mRNAが鋳型として用いられたcDNAが、cDNA library中の大多数を占めることに起因する。
とはいえ逆転写酵素の利用が不可避であること、またRNAが加水分解を受けやすい高分子であることを
考えればこれは避けがたい現象である。
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