2-2. 完全長cDNAのクローニング

  完全長cDNA libraryを作成するためには、大多数を占める不完全長cDNAから 完全長cDNAを選別する過程が必須である。完全長cDNAを選別するためには その5'端・3'端の両方が識別できればよい。すなわち、完全長cDNA libraryの構築とは cDNA両端の選別に同義である。
  mRNAの3'端にはpolyA配列という明確な選別対象が存在する。 事実、従来のcDNA libraryの作成方法においてもこの3'端特徴的構造(tag)は、 dTプライマーを用いて第一鎖cDNA合成を行うことにより選択過程に用いられている。
  これに対しmRNAの5'端に天然に存在するキャップ構造は、このままでは選別に利用するには不適である。 そこで我々はキャップ構造をpolyA配列のように 塩基配列上の特異構造(sequence tag)に 変換することができればその利用は容易であると考えた。 すなわちキャップ構造を選択的にsequence tagに置換する方法、 オリゴキャッピング法を用いればmRNAの5'端の選別が可能である。
 
<<Back